神の持つ予見の力についての神学的学説は、人間的自由との衝突にあるとしばしば強く主張されている。もし全知である神が、これから起こるだろうことをあなたがなす全ての選択に至るまで正確に知っているならば、いかにしてあなたは自由な選択をすることができるだろうか?あなたの選択についての神が持っている「予め真である」あるいは「無時間的に真である」知識は、あなたの自由を束縛するようにみえる。
この問題は、「あした海戦が起こるか否か?」というアリストテレスの海戦問題に関わる。もし海戦が起こるならば、そのことは昨日においても真であった。そのとき、海戦が起こるだろうことは必然であろう。もし海戦が起こらないであろうなら、同様の推論で、起こらないことは必然であろう。これは、未来(に起こることはすべて)過去の真実(未来についての真命題)によって完全に固定されているということを意味する。
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キリスト教神学において、神は「全知であるだけでなく全能でもある」とされ、そのことは「我々が明日なすであろう選択を神がすでに知っている」というだけでなく、「神が我々の選択を実際に選ぶ」ということを含んでいるようにみえる。これは、「神の予見の力によって我々の選択に影響するだろうことを神は知っており、神の全能の力によってその要因を神が統制する」ということである。